芸術見聞録

展覧会の予習、感想など。

芥川龍之介を偲んで その3

f:id:Hayanosuke:20170610234315j:plain

「田端文士村」がくれる「田端散策マップ」に従って進み、童橋を渡ると、「童橋公園」に室生犀星の庭石がある。このマップの裏には文士たちの写真があるが、犀星などとても詩人には見えない。

大体において作家、芸術家の容姿と作品とはあまり関係がなく、容姿端麗な人もいればそうでない人もいる。(「のらくろ」の田川水泡が品の良い紳士なのは驚きである)要するに作品が優れていれば容姿など関係ない。私は30年程前に手塚治虫氏にサインを貰ったことがあるが、よくこのオジサンが「リボンの騎士」のようなロマンチックな話を描けるなと思ったものである。

大正2年頃、雑誌に犀星が書いた詩に当時前橋に住んでいた萩原朔太郎が感動し、ファンレターを送り、文通をした。

ついに犀星が前橋を訪問し、両雄は相会する。もっともこの二詩人の会見は、犀星を蒼白い美少年と想像していた朔太郎が、背が低く肩もいかつく、ステッキをついた、無骨な現実の犀星に失望するという一幕があった。

近藤富枝「田端文士村」74頁より引用。

f:id:Hayanosuke:20170611000534j:plain

近藤冨枝が、「室井犀星という小説家は、昭和のはじめまで、わが水島家の一軒おいた隣に住んでいたということだが・・・」と書いているのはこの辺りである。向かって左が近藤さんの、もう少し先が犀星の住んでいた所だ。

f:id:Hayanosuke:20170611001102j:plain