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芸術見聞録

展覧会の予習、感想など。他に時事問題のブログもやってます。http://hayanosuke.hatenablog.com/

レオナルド・ミケランジェロ展 予習 2

この展覧会には、近年発見され、ダ・ヴィンチ作ではないかと物議を醸した「美しき姫君」が展示される。

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拡大図

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/f9/Profile_of_a_Young_Fiancee_-_da_Vinci.jpg?uselang=ja

この作品は羊皮紙にパステル、ペンとインクなどで描かれたもので、1998年にニューヨークのクリスティーズに出品された。

その後、そのオークションに出席していたものの、落札できなかったパリの美術品収集家、ピーター・シルバーマンが9年後にニューヨークの画廊で買い手の付かないまま展示されていたこの絵を買い取った。

この作品がダ・ヴィンチ作ではないかと考えたシルバーマンはオックスフォード大学のマーティン・ケンプ博士に鑑定を依頼した。

「ヘアバンドが髪の中に沈んでいる」「素材の硬さや髪にかかる圧力がリアル」「影の線が左上から下に引かれている(左利きである)」などから、博士はダヴィンチ作ではないかと考える。

美しき姫君  発見されたダ・ヴィンチの真作

引き続きこの絵のモデルを突き止めるべく調査したところ、この特徴ある髪型がルネサンス期、ミラノの宮廷で流行した「コアッツォーネ」という名前で、当時のミラノダヴィンチの後援者であるルドヴィーコスフォルツァの治世であることが分かり、博士はモデルがその縁者だと考えた。

スフォルツァ家の肖像画を見比べたところ、消去法でスフォルツァが愛人に産ませたビアンカがモデルとして浮上する。絵が描かれている羊皮紙に綴じ穴が3つあり、縁に沿ってナイフで切られた跡があることから、博士はこの肖像画が元々ビアンカの結婚を祝う記念本に綴じられていたものだと考えた。

その後、スフォルツァ家の記念本がポーランドワルシャワ国立図書館にあることが分かり、博士が確認したところ、その本のページが一枚切り取られていた。そこに原寸大のコピーでをあてると綴じ穴の位置がぴたりと一致した。

この模様はドキュメンタリー番組で撮影され、映像が残っている。

それをもって博士はこの絵がダヴィンチ作だと断定したが、これには様々な異論があり、現在でも議論されている。本物であれば185億円以上の価値があるという。

  私はこのドキュメンタリーの一部が「世界まる見え」という番組で放送された時、すっかり信じてしまったが、ドイツ人画家による贋作だという説があるという。そう言われてみると、顔のゴツさからドイツ人女性に見えないこともない。(贋作なら、画家が「ダ・ヴィンチ作」として大金を吹っ掛けるはずなのだが?)

かてて加えて、この絵に関する記録文書が存在しないのがおかしいという。500年間全く知られずに急に現れたこと、絵の傷み具合が少ないことも指摘されている。

こうした絵画を企画展で展示してしまうあたりが、ニッポンらしいところだ。将来本物と鑑定される可能性もあるので、一見の価値はあるだろう。