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芸術見聞録

展覧会の予習、感想など。

シャセリオー展 予習 4

TBS「シャセリオー展」|TBSテレビ

シャセリオーについての資料が少なく、難儀していたがようやく「ドラクロワとシャセリオーの版画」(橋 秀文編著 岩崎美術社)という本を見つけた。絶版なので図書館で探すしかない。

1839年にシャセリオーはサロンで成功する。その時出品されたのがこの「海から上がるヴィーナス」である。

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(画像はパブリックドメイン

アングルの「泉」と比較すると、シャセリオーがアングルを引き継いでいることが分かる。しかし髪を持ち上げるポーズや、太い二の腕、幅の広い腰など、すでにシャセリオー独自のスタイルが認められる。

The Spring - Google Arts & Culture

アングルが「泉」の制作を開始したのが1820年なので、(完成は56年)1830年にアングルのアトリエに入門したシャセリオーはアトリエで「泉」を見たかも知れない。

ヴェネツィア――美の都の一千年 (岩波新書)

4年後に師はローマへ行ってしまう。サロンで成功したシャセリオーは翌年イタリアに旅行し、アングルと再会するが、1840年、9月9日付の兄への手紙で師への不満を書いている。

彼(アングル)は無理に我を通して生きてきた、そして我々の時代の芸術に生じた思想や変革にひとつも理解を示そうとはしない。かれは最近の詩人たちのことを全く知らないのだ。彼にしてみれば、未来に向けて何も創造することもなく、過去のある時代の芸術を思い起こさせるものであるか、またはその複製であればことたりるのである。

p.71より引用。 

ロマン主義の激しい自己主張、創造性と革新、情熱という特徴が表れている。我々がロマン主義時代の芸術に惹かれるのはこのためであろう。

 

 

【国立西洋美術館】 「シャセリオー展-19世紀フランス・ロマン主義の異才」内覧会レポート | 上野エリアの観光、博物館、美術館、店舗に関する情報満載のアプリ:ココシル上野