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芸術見聞録

展覧会の予習、感想など。他に時事問題のブログもやってます。http://hayanosuke.hatenablog.com/

ミュシャ展 雑感 6

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(筆者撮影)

絵を見ていて、誰もが気付いたと思うが、大概の絵で誰かがこちらをジッと見ている。

これはムハが絵を見に来る人に対して仕掛けたものだと思う。モナリザを実際見るとだんだん向こうに見られているような気になってくるが、ムハのスラブ叙事詩の人物はいわゆる「ガン見」だ。こういう絵はあまり他に例がないように思う。

アールヌーボー時代のムハはこういう絵は描かなかった。ただただ、華麗で幸せそうな女性が微笑んでいる。

絵の中の人物を通して、ムハが「あなたは何を見に来たのですか?華やかで美しいものですか?」と問いかけてくるような気がした。

「フス教徒の国王イジー・ポジェブラディ」をよく見ると人々がいろいろな表情を見せているのが分かる。猜疑、嫉妬、嘲笑、不安・・・。

戦争をテーマにしたものもあるが、どの絵を見てもカラバッジョドラクロワのような残酷な描写がない。

NHKドキュメンタリーでの、ムハの言葉で結びとしたい。

「すべての絵の中で、私はひどい争いや血を連想させる表現を一切避けた。私の作品制作の目的は破壊ではなく、常に橋を架けるということにあった。」

 

ミュシャのすべて (角川新書)

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