芸術見聞録

展覧会の予習、感想など。

没後150年 坂本龍馬展 その3

インスタを見ていて、もう一つ坂本龍馬展が開催されているのを知った。こちらは江戸博物館の話である。 Railstation.netより。坂本龍馬生誕の地。 江戸博物館の展覧会では司馬遼太郎の「龍馬が行く」に出てくる資料がいくつか展示されている。 池田屋事件が…

芥川龍之介を偲んで その3

「田端文士村」がくれる「田端散策マップ」に従って進み、童橋を渡ると、「童橋公園」に室生犀星の庭石がある。このマップの裏には文士たちの写真があるが、犀星などとても詩人には見えない。 大体において作家、芸術家の容姿と作品とはあまり関係がなく、容…

没後150年 坂本龍馬展 その2

念願だった、「血染めの屏風」を見ることができた。司馬遼太郎の「龍馬が行く」で龍馬暗殺の場面になると、いつも涙で読めなくなる。ほとんど号泣である。 今まで本やテレビ番組でしか見たことのなかった実物を見てゆくと、本当にあったことなんだなぁ・・・…

芥川龍之介を偲んで その2

田端駅南口へ出る不動坂。芥川はこの坂を下って学校へ通った。 今はこのような階段があり、容易に上り下りできるが、芥川が居た当時は坂であり、この急角度からすると下まで滑り落ちそうである。 ただ厄介なのは田端の停車場へゆくのに可成急な坂がある事だ …

没後150年 坂本龍馬展 その1

没後150年 坂本龍馬 - 江戸東京博物館 西洋絵画の展覧会と違って、日本のそれは会期が短いが、展示物の入れ替えが激しいとは知らなかった。行って見たら、龍馬がおりょうと新婚旅行に行った際の手紙がない。京都国立博物館としてもあまり長く貸し出すのは困…

芥川龍之介を偲んで その1

NHK、Eテレの番組、「高校講座ベーシック日本語」を見て、「田端文士村記念館」というものの存在を知ったので尋ねてみた。 NHK高校講座 | ベーシック国語 | 第5回 文学史〜芥川龍之介〜 田端の町は図書館などを利用するために何度か訪れたことはあったが…

レオナルド×ミケランジェロ展 予習 1

4年前に東京都美術館でレオナルド・ダ・ヴィンチ展が開かれ、ミラノのアンブロジアーナ図書館・絵画館から『アトランティコ手稿』22点が展示された。 ミラノ アンブロジアーナ図書館・絵画館所蔵「レオナルド・ダ・ヴィンチ展―天才の肖像」|TBSテレビ この…

バベルの塔展 感想

ついにBSTBSの「ぶらぶら美術館」で「バベルの塔展」が放送されてしまった。山田五郎が面白おかしく解説すると著しく興味を掻き立てられるので、そのせいなのかどうか、混雑してきたようである。 私はどんなに混んでいようと、「小バベル」をじっくり観る方…

シャセリオー展の感想 その2

ル・コルヴィジェのデザインした、世界遺産の建物での展覧会は限りなく上質である・・・コマーシャルみたいになってしまったが、本当にそうなのだ。 かつては海外に旅行した日本人があちこちで写真を撮って、ヨーロッパ人に揶揄されたものだが、今では東京に…

シャセリオー展の感想 その1

北朝鮮からミサイルが飛んでくるかも知れないという時に、美術館めぐりとは我ながら呑気だと思うが、上野公園も平日だというのに結構な賑わいであった。 シャセリオーが日本人に馴染みがないせいか、会場は空いており、マナーの悪い人もおらず、気分良く鑑賞…

バベルの塔展 予習 7

さて、今まで読んでいただいた人達の中には、「この人はいつ展覧会に行くのだろう?」と思っている人もいるかもしれないが、私は出かける前に下調べを行い、観たい気持ちをなるべく高める。そうすることで感動が倍になるのだ。 作品 「干し草車」ヒエロムニ…

シャセリオー展 予習 6

シャセリオーは版画も描いている。なぜ版画を描いたのかは不明なようだが、独特の技法に挑戦したのであろう。色がないのでつまらないかと思ったが、シャセリオーならではの独特な世界が展開されている。会場にも版画の展示があるというので楽しみである。 エ…

シャセリオー展 予習 5

シャセリオーは1846年にアルジェリアに旅行した。その時の経験をもとに描かれたのが、「ガゼルと遊ぶムーア人の娘」である。 www.google.com 彼のオリエンタリスムの魅力は、(中略)文学や異国趣味といったものを自由に掛け合わせて、それらを起爆剤として…

シャセリオー展 予習 4

TBS「シャセリオー展」|TBSテレビ シャセリオーについての資料が少なく、難儀していたがようやく「ドラクロワとシャセリオーの版画」(橋 秀文編著 岩崎美術社)という本を見つけた。絶版なので図書館で探すしかない。 1839年にシャセリオーはサロンで成功…

バベルの塔展 予習 6

ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展公式ガイドブック (AERAムック) 4月18日(火)~ 7月2日(日) 【東京都美術館】 『ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 16世紀ネーデルラントの至宝 - ボスを超えて -』 開催 | 上野エ…

バベルの塔展予習 5

拡大図 ヒエロニムス・ボス - Google Arts & Culture さて、この世で淫楽に耽って只で済むわけではなく、死んだらそれでお終いと思っていた人間にはまだ先があった・・・右側の地獄である。 日本にも古来、地獄を描いた絵があるが、これほど凄まじいものは無…

バベルの塔展 予習 4

ブリューゲルは生前、「新しいヒエロムニス・ボス」と呼ばれた。今回は「バベルの塔」が目玉だが、来日するボスの作品2点も大変価値あるものなのだ。 ブリューゲルの真筆も少ないが、ボスも同じで確認されているのは20数点しかない。数年前ヨーロッパで行わ…

絵画をより楽しく観る 2

ミュシャのすべて (角川新書) 作者: 堺アルフォンス・ミュシャ館(堺市立文化館) 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2016/12/10 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る しぐさで読む美術史 (ちくま文庫)では西洋と日本の習慣の違いも書かれていて興味深…

絵画をより楽しく観る

「聖なる手」というジェスチャーがあるというのは、 しぐさで読む美術史 (ちくま文庫) を読むまで知らなかった。 (p.188) エル・グレコ「改悛のマグダラのマリア」を見てみると、 (画像はパブリックドメインです) 拡大画像 The Penitent Mary Magdalene -…

絵画に描かれている人のしぐさに意味がある? (レオナルド・ダ・ヴィンチ 最後の晩餐)

絵画は特に予備知識がなくとも自分なりに楽しめるが、いろいろ知っておくとより興味が増し、もっと楽しめる。 著者の宮下喜久朗氏は神戸大学教授、美術史家で、特にベネツィア美術、 ヴェネツィア――美の都の一千年 (岩波新書) また、カラバッジョの権威であ…

バベルの塔展 予習 3

作品「ネーデルラントの諺」 The Dutch Proverbs - Google Arts & Culture https://t.co/qxiPdUCYjy @googleartsさんから — sosora (@fusa_taro) 2017年4月4日 ここには100に近い諺が描かれているそうである。真ん中あたりで、胸の谷間を見せている若い女性…

シャセリオー展 予習 3

【作品紹介3】シャセリオーが15歳で描き、師アングルが大そう気に入り決して手放さないようにと言った《16世紀スペイン女性の肖像の模写》。恋人のアリス・オジーにねだられ根負けして彼女にあげるも、いざこざで激怒したシャセリオーが自らナイフで切り付け…

シャセリオー展 予習 2

チラシやポスターでイチ押しのこの《カバリュス嬢》、19世時当時 「パリで最も美しい女性の一人」と呼ばれたそうです! pic.twitter.com/iLLPGT0NFd — シャセリオー展@国立西洋美術館 (@chasseriau2017) 2016年12月16日 太い腕がシャセリオーの特徴だという…

バベルの塔展 予習 2

肖像画を描くには服装、装飾品、室内空間への配慮が必要だが、 ブリューゲルはいろいろな制約のある肖像画よりも、素朴で、人間味あふれた民衆の顔を選んだ。そのほうがはるかに心を打つ対象と思ったに違いない。 森洋子著 ブリューゲル探訪―民衆文化のエネ…

シャセリオー展 予習 1

シャセリオー展には今度行く予定なので、予習をしたいのだが、シャセリオーについて書かれた日本語の本が無いのでなかなか難しい。 この画家はあまり日本人にはなじみがないかも知れないが、フランス・ロマン派の話になると無視できない存在で、その絵はルー…

バベルの塔展予習 1

ブリューゲルは「農民ブリューゲル」と呼ばれ、農村の生活を描いた作品が多い。思わず笑ってしまう人が多いのではないだろうか。日本でブリューゲルの人気は高いのだそう。 作品「子供の遊戯」 Children’s Games - Google Arts & Culture https://t.co/1GzVm…

エリアフ・インバル指揮 ベルリンコンツェルトハウス管弦楽団公演 5

マーラー交響曲第五番 第5楽章より このホルンの進行に大変な知性を感じる。私の好きな部分である。 ここのホルンはfffなので突出していなければならない。インバルの演奏はバランスが良かったが、私だったらffffぐらいにする。(指揮者ではないが) …

エリアフ・インバル指揮 ベルリンコンツェルトハウス管弦楽団公演 4

私の一番の興味が、インバルがどのように最終楽章を演奏するかであった。 冒頭部分。バッハ風の真面目な音楽。ミの音を中心にしている。マーラーの作曲小屋にはバッハの全集が置いてあった。 ドイツ音楽によく出てくる、「タッ・タ・タ・ター」というリズム…

ミュシャ展 雑感 6

(筆者撮影) 絵を見ていて、誰もが気付いたと思うが、大概の絵で誰かがこちらをジッと見ている。 これはムハが絵を見に来る人に対して仕掛けたものだと思う。モナリザを実際見るとだんだん向こうに見られているような気になってくるが、ムハのスラブ叙事詩…

エリアフ・インバル指揮 ベルリンコンツェルトハウス管弦楽団公演 3

マーラーの交響曲第5番の第三楽章は難解だ。私は未だに何を表しているのか分からない。瞑想や幻想の世界だと思う。 上行、下行を繰り返し、バイオリンが下行、低音弦が上行を並行して演奏し、ひと区切りというのがマーラーのパターン。音階の単純な繰り返し…

ミュシャ展 雑感 5

ムハのスラブ叙事詩には、スメタナ:わが祖国が影響していると言われている。 曲の中には日本人にもお馴染みの「モルダウ」が含まれており、普段クラシックを聴かない人にも親しみやすい。ただ、全曲を通して聴くと78分かかる大作である。 二曲目の「モルダウ…

エリアフ・インバル指揮 ベルリンコンツェルトハウス管弦楽団公演 2

現代はスコアがネットから無料でダウンロードできるという夢のような時代である。私はピアノの初級程度の楽譜しか読めないが、CDを聴きながら見てゆくと今まで朧気だった曲の輪郭がはっきりしてくる。 マーラー交響曲第五番、第一楽章より。執拗なクレッシェ…

エリアフ・インバル指揮 ベルリンコンツェルトハウス管弦楽団公演 1

日本ツアーが堂々スタート!巨匠インバルが率いるベルリン・ コンツェルトハウス管弦楽団|ニュース|音楽事務所ジャパン・アーツ 3月13日にすみだトリフォニーホールで行われた演奏会に行ってきた。 マーラーの交響曲第五番は私の最も好きな曲の一つで、彼…

ミュシャ展 雑感 4

今回の「ミュシャ展」は既に大反響を引き起こしたと言っても過言ではないだろう。チェコと歴史的に縁もゆかりもない東洋の島国で、人々が挙(こぞ)って観に行っているのである。 チェコの人々は、日本人がこれほどまでにムハの絵を愛していることに対してど…

ミュシャ展 雑感 3

とうとうNHKでムハのドキュメンタリーが放送されてしまった。やはりさすがという他はない出来栄え。画家がスラブ叙事詩の下絵を描いている映像は感無量だった。初公開のナチスの資料、最後に収監された独房の映像はNHKならでは。 しかし平和を願って民衆のた…

ミュシャ展 雑感 2

この展覧会では当然スラブ叙事詩に注目が集まるが、堺市立文化館の収蔵品も展示されている。プラハや大阪に行かずとも観ることができるのだ。 ここではムハの油彩画も観ることができる。(スラブ叙事詩はテンペラ画)まさか「クオ・バディス(Quo Vadis)」…

ミュシャ展 雑感 1

ミュシャ展に行ってきた。事前にSNSでいろんな情報を提供してくれた人たちがいたので役に立った。 「NHKネットクラブ」の会員になれば(無料)割引クーポンもある。100円でも割り引いてもらうとうれしいものである。 クーポンのダウンロード(【東京】ミュシ…

ティツィアーノとヴェネツィア派展

以下は「Art Agenda」というサイトに私が投稿した文章です。 モンゴメリの「赤毛のアン」の中に、朗読の舞台に立ったアンを見たある青年画家が、「あの素晴らしいティツィアーノの髪を持つ少女は誰だろう」と言い、それを聞いた親友のダイアナが、「ティツィ…